緩和医療科

特徴及び診察内容

 「ホスピスケア・緩和ケアとは」
 終末期患者へのケア・看取りの場として始まったホスピスケアは、現在では症状を和らげるための緩和ケアとして早い段階からの導入が理想とされています。しかしながら、ホスピスケア・緩和ケアに対する皆さんのイメージは、どのようなものがあるでしょうか。
 近代ホスピスの母といわれるシシリーソンダーズ医師が、1967年イギリスにセントクリストファーホスピスを建設して50年が過ぎました。シシリーソンダーズ女史は、どのような気持ちでホスピスを造ったのでしょうか。
 彼女は、もともと看護師でした。医療の現場で働いていくなかで多くの患者が苦しみながら亡くなっていく事に彼女自身苦しんでいました。いろいろな経験をした後、医師となり病気の人々を苦しめる事柄について研究しました。
 患者の苦しみは、多面的で多肢にわたります。

 例えば、
 1.身体的苦痛(痛み、倦怠感、吐き気など)
 2.精神的苦痛(不安、苛立ち、うつ状態など)
 3.社会的苦痛(経済的、仕事上、家庭内の問題など)
 4.スピリチュアルな苦痛(生きる意味への問い、死への恐怖など)が挙げられます。

 このように病気そのものの症状だけでなく、多くの困難(生きづらさ)への対応が大切であるとシシリーソンダーズ女史は訴えました。また、前述した事柄が持続すると患者だけでなく家族や身近な人々も同様につらくなります。
 緩和ケアは、患者と家族のQuality of Life(QOL:生活の質)の改善を目的としておりQOLが向上すると予後も延長するとの報告もあります。それには、医師のみなく多くの職種の智恵と工夫が必要であり、何より患者と家族の「どこでどのように過ごしたいか」などの意思決定が重要です。緩和ケアとは、患者と家族のつらさを軽減してよりよく生きるための取り組みなのです。

医師紹介

副院長、緩和医療科、呼吸器内科 大湾 勤子(おおわん いそこ)
緩和医療科医長、消化器外科 久志 一朗(くし かずあき)